ネットショップの開業は必要なのか?

そして、どこで仕入れて、どこで売ることができるのか

アマゾン(Amazon.co.jp)について:開業する場所

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米国アマゾンと協働して着実に成長するアマゾンジャパン
着実に成長しているアマゾン

アマゾンジャパン

売上高

1兆3000億円
流通総額
約1兆円6000億円
販売事業者数
17万8000
品目数
1億以上

アマゾン(Amazon.co.jpは、直販に加えて、マーケットプレイスが充実、かつ成長していることが特徴としてあげられる。

マーケットプレイスとは、アマゾン自身が販売する直販の他、それと同じであったり直販で扱っていない商品を販売事業者(セラー)にも売らせる販売スペースのことだ。

マーケットプレイスにおける販売事業者の数は17万8000人で、法人のほか、個人事業者も商いをしている。

ちなみに、販売事業者の数、商品数、同一商品を扱う事業者の数、ともに増加傾向にあり、それらがアマゾン自身の成長を支えているといえる。

巨大企業アマゾンに出店・開業して勝ち馬に乗る?

アマゾン全体の売上高の推移
アマゾンの売上高は毎年右肩上がり

巨大企業であるアマゾンの影響はネット通販の分野に限定されず、デス・バイ・アマゾン(アマゾンの影響による倒産が予想される企業リスト)という指標ができるほど、社会に対して大きな影響を与えている(アマゾン・ジャパンは巨大企業アマゾンの日本部門という位置づけ)。

まず、アマゾン全体売上高については、2004年には69.2億ドルだったのが、毎年の右肩上がりの業績を維持した上で加速度的に増大しており、2017年には1,787億ドル達している。

また、株価について、1997年の上場時で18ドル、それが2006年末には39.46ドルになり、2018年9月には2003ドルになっている。1997年から2006年末までの9年間では約2倍にしかなっていないが、1997年から2018年9月の21年間で株価が約100倍に、そして、2006年末から2018年9月の12年間では約50倍になった計算になる。

アマゾン(amazon.com)は、元はアメリカで書籍のネット通販を行う企業としてスタートしたが、現在では、乗用車から家電製品、ゲーム機、パソコン、スマホ、アパレル、靴、雑貨、生活用品、ベビー用品、おもちゃ、健康機器、工具類、電子書籍、アート用品、映画・音楽メディア(CD、DVD、ブルーレイ)、映画や音楽の配信、アプリ配信など、アマゾン内だけで多様な商品を扱っている。

そして、2015年には実店舗の巨大小売チェーンであるウォルマートの時価総額を上回ると共に、最近は、アマゾン・ゴーという無人の小売販売店サービスを開始し、今まではネット専業の企業(IT企業)であったところが、リアル店舗の分野にも進出し始めている。

アマゾンの巨大倉庫内ではロボットが商品棚を動かすなど作業の自動化が進んでいる

また、アマゾンは巨大な倉庫を作り、倉庫内における作業のためにロボットが導入されている(倉庫内を動き回っている)ことで有名だが、先日、一部の地区においてロボットによる商品配達が始まることが発表された。

これは、配達ロボット(Scout)が商品を積んだ状態で自律的に移動していき、お届け先(家の前)まで、ロボットがアマゾン商品を届けるというものだ(俄には信じがたいサービスだ)。

アマゾンは巨大なネット通販企業なので、大量の商品を配送する必要があり、そのためにアメリカでは複数の巨大倉庫と物流網、そして、航空機まで所有しているが、日本では独自の配送網を持っていないので、佐川急便やヤマト運輸の配送網に頼ってきた。

だが、アマゾンからの配送料金交渉の締め付けが厳しいとともに荷物の数が多すぎるので、まず、佐川が撤退し、そして、ヤマト運輸の方もドライバーが超過勤務状態となり疲弊し、料金の値上げとアマゾンとの関係の見直しが行われたことは周知されている通りだ。

日本の運送会社にとってはアマゾンは"招かれざる客”のような存在だが、アマゾン自身にとっては、売上が毎年右肩上がりである一方、売上高の中で人件費がかなりの割合を占めているので、この人件費をいかに削るかが経営陣にとっての課題(頭の痛い部分)であったと考えることができる。

そのため、倉庫内では人間の代わりにロボットが動き回り、実店舗では無人の小売店であるアマゾン・ゴーによる販売を開始し、そして、現在はアメリカの一部のエリアだけだが、自律的に移動するロボットによる商品配達を既に開始した。これらの試みの目的が、売上高の中に占める人件費の抑制にあることは明らかだろう。

アマゾン・ゴーには有人レジは存在せず、ゲートを通過することにより自動的に支払いの処理が行われる
ゲートを通過すると自動的に支払いが終わるアマゾン・ゴー

ところで、アマゾンの売上げ全体に占める小売部門は61パーセントで、意外と少ないように見える。しかし、メーカーや小売業者に対する場所貸しであるマーケットプレイス部門が18パーセントであり、前者と合計すると79%になる。消費者にとってはマーケットプレイスと直販との区別はつきにくい部分があり、この数字(79%)には納得できるだろう。

なお、他にクラウドサービス事業であるAWSが売上の中の9.8パーセントを占めており、これは元はamazon.comの販売サーバを支える目的で始まったものだが、現在では、その利便性の高さから多くの企業に受け入れられており、アマゾンの本業であるネット通販事業よりも多くの利益を叩き出している。

アマゾン自身についてはこのような状況だが、一事業者としてアマゾンで開業・出店し、販売を始める場合には十分な情報収集をして、アマゾンがどのようなシステムになっているかをあらかじめ理解しておく必要があるといえる。

例えば、フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)のサービスを使うと、一度アマゾンに商品を送れば、後の面倒な作業は全てアマゾンの方でやってくれる。そして、FBAから発送する場合、「Amazonが発送します」という表示が出て、同じ商品を扱う競合店よりも優先して表示してもらえる(アマゾンプライムの対象商品になる)ということがある。

しかし、その様なメリットがある一方、自社で発送する場合よりも手数料が余計かかるというデメリットがあり、それは手間がなくなる、面倒な作業から開放されることとバーターの関係になっている。また、FBAの商品の販売画面における優先も、商品によって必要だったり必要でなかったりするので、自分が販売する商品の性格をよく理解してから判断しなければならない。

また、現在は法人向けのみだが、アマゾンは2014年から出店者向けの融資(アマゾン・レンディング)を行っているが、これも、つまりは借金なので、このようなサービスを利用するかどうかは自分で判断しなくてはならない。

なお、出店者向けの融資ということでは、楽天が2013年、ジャパンネット銀(ヤフー出店者向け)が2015年、BASEが2018年に類似サービスを開始している。これは、ネット通販のモール側からはテナントである小売販売店の業績が丸見えなので、融資をするかどうかの判断が容易だという仕組みがあるからだ。

まとめると、アマゾンは毎年売上を増大させてきた巨大企業だが、そのアマゾンで開業・出店した法人や個人事業主が成功できるかどうかは別の問題であり、その保証はないので、成功するためには、扱う商品のこと、携わる業界のこと、アマゾンのシステムを勉強・研究し、どのようにすれば成功することができるのかの道筋を付けていかなければならないといえる。

日本市場での普及が予想されるAmazonビジネスとは?

Amazonビジネスは、ビジネス市場向けの購買サービスで、日本ではアスクルMonotaRO(モノタロウ)等の企業と競合する。

法人から個人事業者までがサービスの対象であり、簡単に書くと、企業・個人事業者向けに消耗品・備品等がお得な形で提供されるサービス。

具体的には、通常より割引された法人価格で商品を購入することができたり、商品を迅速に受け取ることが出来る(ビジネスプライム便)、企業内等で複人数での利用OK、見積書をPDF形式でダウンロードOK、購買履歴を整理して分析できる、買掛(後払い)で商品を購入することが出来る、などがユーザーにとっての魅力、利便性となる。

なお、個人アカウントをAmazonビジネスに登録すると元に戻せなくなりますので、個人アカウントをそのまま存続させたい場合は、別のメールアドレスを登録するなどの工夫が必要。

Amazonビジネスの主な特徴は下記のとおり。

○法人企業、個人事業主が対象
○割引された価格で購入(法人価格)
○ビジネスプライム便で商品をスピーディに配送
○複人数での利用に対応
○見積書がPDF形式でダウンロード可
○購買履歴の分析に利便性
○掛買いでの購入に対応(買掛、後払い対応)
○豊富な品揃えが魅力(商品ラベル2億種類以上)
○月額会員費用が無料(期間限定で終了時期未定)

Amazonビジネスの会員費用(月額)は現在無料だが、これは、日本ではまだAmazonプライムの年会費が安い(日本では3,900円だがアメリカでは119ドル)ことと関係していると考えることができる。

つまり、日本では市場シェアが低いので、まず低額であったり無料でサービスを提供して、ある程度の市場シェアを獲得したら料金を引き上げたり有料に変更する戦略、なのだと考えるのが妥当だろう。

アマゾンで販売している、販売・開業する予定がある、アマゾンのフルフィルメント by Amazon(FBA)を利用している、利用する予定がある、あるいは、消耗品・備品(オフィス用品)の購入で頭を痛めている、場合などは、(Amazonビジネスを利用することにより)商売を行う上での利便性が高まる可能性があるので、Amazonビジネスの利用を検討する価値があると言える。

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発送・配送関連で特徴的なフルフィルメントBYアマゾン

フルフィルメントBYアマゾンアマゾンによる特徴的なサービスで、販売事業者が商品をアマゾンに預け、受注、ピッキング、梱包、配送などの行程をアマゾンが有料で請け負うというもの。

これまではマーケットプレイスに出店している販売事業者が対象だったが、最近、アマゾン以外のECの販売事業者もサービスを受けられるように方針転換がなされた。また、競合他社の中からも、Yahoo!ロジスティクスの様なサービスが開始されている。

なお、米国アマゾンの販売事業者を日本に誘致するプロジェクトが進行中であり、米国アマゾンの商品を国内で販売している事業者は要注意だといえる。

好調な中古車販売

アマゾンでは中古車も扱っており、諸経費(登録、整備料、税金、保険料)を含む価格をわかりやすく表示するスタイルが受けて販売が好調とのこと。

中古車の店頭販売は諸経費抜きのわかりにくい価格表示であるという現状があり、それを逆手にとったサービスだといえる。

平均月商額が低いのは「せどり」が影響?

本サイト・トップページの「楽天・Yahoo!ショッピング・Amzonの比較」画像を確認すると、アマゾンの「1店舗あたりの平均月商」が非常に低いという印象を受ける。

しかし、アマゾンマーケットプレイスは古本の「せどり」で有名で、その影響を受けていることは否定できないだろう。

つまり、「せどり」をしている販売業者の分を除いた場合、1店舗あたりの平均月商額は更に高くなることが考えられる。

オリジナル商品&月50点以上の注文がある場合は大口出品

ところで、月間の注文点数が49点以下になりそうで、また、オリジナル商品ではない(アマゾンにすでに商品画面が存在する)場合、小口出品者として、月の固定料金なしで販売することができる(注文毎の100円の基本手数料、および販売手数料は発生する)。

一方、販売する商品がオリジナル商品である場合、および月に50点以上の商品を販売する場合、大口出品サービスを選択することとなる。

その際、4,900円の月間登録料がかかるが、その代わり、商品が売れた際に生じる基本成約料(100円)の費用は生じなくなる(カテゴリー毎の販売手数料はかかる)。

ネットショップ開業に本気なら月4,900円は高くない

本格的にネットショップを開業する場合、月4,900円の月間登録料が多額だとは考えられないので、基本的に大口出品者として契約することを検討することとなる。

商品の販売画面を確認すると納得が行くが、楽天市場Yahoo!ショッピングが実店舗の“ショッピングモール式”だとするならば、アマゾン・マーケットプレイスは“東急ハンズ式”とでも表現できるような売場形態となっていることがわかる。

しかし、それはオリジナル商品を扱う場合においてそうなのであり、他の販売者やアマゾン&メーカーが直売で扱っている商品(電化製品など)を販売する場合は、強い価格下落圧力に晒されることとなる。

コモディティ化した商品は激しい価格競争が…

つまり、(商品のコモディティ化により)激しい価格競争が生じるのであり、ギリギリの低価格を提示した販売者の商品が購入者に選ばれ、結果として、自らが販売する同一商品が売れなかったり、売れても薄利である場合が少なくない。

また、米国アマゾンeBayから輸入してアマゾン日本他で販売するというサイクルが存在するが、今後、アマゾンが同じ商品の直売を始めたり、海外のメーカーが日本で直接販売を始めた場合、中間業者が利益を上げる余地が失われていく恐れがある。

楽天とアマゾン、あるいは楽天・Yahoo!ショッピング・アマゾンで多店舗展開

ネットショップを開業して本格的に販売する場合、楽天市場アマゾン大口出品者2店舗を展開したり、楽天Yahoo!ショッピングに加え、アマゾンを加え3店舗で販売するような形態が考えられる。

なお、開業資金が限られている場合、商品が売れない限り費用が生じない、Yahoo!ショッピングアマゾン小口出品者の組み合わせも考えられる。

また、オリジナル商品の場合、自社商品がアマゾンでの販売に向いているかどうかは要検討であり、アマゾン向きの商品であるのにアマゾンで販売していない場合、商品が販売される機会をみすみす逃しているということが言える(つまり、販売するべきだろう)。

アマゾンでネットショップを開業する場合のおすすめポイントは?

アマゾン大口出品サービスであっても、商品が売れない限りは4,900円の月間登録料がかかるのみであるので、自分が扱う商品がアマゾン向きであるか検討し、もし適合していた場合、アマゾンで出品することが望ましい。

また、ネットショップを開業して本格的にネット販売を行う場合、楽天市場アマゾン大口出品サービスの組み合わせで2店舗を展開する、などの販売形態が考えられる。

販路の拡大のため、そして、商品の販売機会を逃さないために、アマゾン・マーケットプレイスを含めた多店舗展開を検討するのは至極当然なことだといえる。

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